海に建つ神秘の社殿 国宝・世界遺産「嚴島神社」

嚴島神社は広島県西部の宮島に位置し、1996年に世界文化遺産に登録されました。日本三景「安芸の宮島」として知られ、その歴史は古く6世紀にはすでに存在し、その後平清盛が1168年頃に現在のような寝殿造りの海上社殿を造営したと言われています。
嚴島神社は瀬戸内海の島を背にして、その入江の海の中に木造建物が建ち並ぶ、日本でも珍しい神社です。満潮時には海上に立つ大鳥居とあわせ、水上に浮かんでいるかのように見え、その美しい姿は多くの観光客を魅了しています。


その昔、平清盛は参拝の時に、松明で社殿や大鳥居、廻廊などを照らし出したこともあるといわれており、現在も日没後の厳島神社は一斉にライトアップされ、昼間とはまた違った幻想的な景色が広がります。また、夕暮れ時から出発する遊覧船に乗れば、ほんのりと照らし出された社殿や大鳥居を見ることもできます。
大鳥居は高さ16メートル、重さ約60トンにもなり、実は6本の柱の足元は海底に埋めておらず、自らの重みだけで立っています。地盤の強化や鳥居上部に詰め込まれた石と砂利の重みが、驚異の安定性を生み出しているわけです。主柱は樹齢600年以上のクスノキを使用、この巨木探しには何年もの歳月をかけたといわれています。


世界遺産には社殿を中心とする嚴島神社だけでなく、前面の海、及び背後の弥山原始林(天然記念物)を含む森林区域431.2ヘクタールが登録されています。
また、古くから主峰である弥山(海抜530m)は崇敬の対象であり、島全体が神聖視されていました。
ロープウエーを降りて山あり谷ありの山道を進んでいくと、弘法大師が100日間の修行をしたという弥山本堂や『消えずの火』が1200年以上も燃え続けている霊火堂にたどり着きます。弥山展望台の屋上からは360°のパノラマで、天気のよい日は四国連山まで望むことができます。

嚴島神社はその美しさと神聖さから多くの人々に愛され、またその独特な建築と自然環境、そして神々への深い敬意が交わる場所です。
手つかずの自然に囲まれた神々の島・宮島の神秘的な空気をぜひ感じてください。

アクセス
〒739-0588 広島県廿日市市宮島町 1-1
JR広島駅からJR(山陽本線)でJR宮島口駅まで約27分
宮島口桟橋からフェリーで約10分。宮島桟橋から徒歩約12分